生涯教育(CE)

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2022/05/31

第192回コラム「がん遺伝子情報カタログCOSMICとCIvicの紹介」

半田 智子,Pharm.D.

注意:デモビデオのリンクは以下の添付ファイルにあります

ダウンロード - e38387e383a2e38393e38387e382aa.docx

 

ゲノム医療の目覚ましい発展が、トランスリレーショナルリサーチの強化により、遺伝子研究の成果の臨床応用が急速に進んでいます。

一方、薬剤師がチーム医療に係る中で、治療方針を理解し時には患者の意思決定にサポートするような場面が増えることが予想されます。個人の特性に合わせた個別化医療が進められ、患者の薬剤応答性の個人差を起こす要因の一つとなる遺伝情報について、薬剤師が基本的な知識となるゲノムリテラシーを備える必要があります。現在Web上では、公的なデータベースを利用して、様々な臨床遺伝情報を調べることが可能です。

がん遺伝子パネル検査が2019年に保険適用となり、がん治療において遺伝子検査はさらに注目を集め、医療現場でも頻繁に行われるようになってきました。そこで今回は、がんのバリアント(多様体)が見つかった際に有用なCOSMIC(Catalogue Of Somatic Mutations In Cancer: コスミックと読む)というWebサイトhttps://cancer.sanger.ac.uk/cosmicをご紹介します。

COSMICは世界最大のがんの体細胞変異のカタログで、無料でアクセスできます。

ホーム画面のサーチボックスに遺伝子名、疾患名、がんの部位、バリアントの簡単な標記名をいれて検索できます。デモビデオを作成したので参考にしてください。

EGFR遺伝子のT790M変異についての情報を調べました。コード配列の2369番目の塩基がシトシン(Ccytosine)からチミン(Tthymine)に置換していることが示されています。さらにこのバリアントについて詳細を見ると、FATHMM prediction score0.5以上が病的とされているので、0.94であることから病的であることが分かります。

さらにCIvic(Clinical Interpretation of variants in Cancer:シビックと読む)https://civicdb.org/welcomeを使って臨床的解釈をしてみましょう。Civicはがんのバリアントの臨床的な解釈をする知識データベースです。

EGFR遺伝子のT790M変異について詳細を確認します。40件のエビデンスが報告されており、エルロチニブとダコミチニブはT790Mバリアントでは抵抗が示されており、オシメルチニブは感受性が示されていることが分かります。

COSMICのチュートリアルのhttps://cancer.sanger.ac.uk/cosmic/help/tutorials(English)と、CIvicのチュートリアルhttps://civicdb.org/pages/helpEnglish)のURLを提示します。

その他、遺伝子に関連した情報をいろいろなwebサイトから入手できます。遺伝子情報は日々更新されています。ゲノムリテラシーを磨いて、常に最新の情報を入手し、臨床で活用できるように心がけてください。

参考文献

・中山 智祥.医療に役立つ遺伝子関連Web情報検索(メディカルサイエンスインターナショナル)

・渡邉 淳. 診療・研究にダイレクトにつながる遺伝医学(羊土社)

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