生涯教育(CE)

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2022/01/31

第189回コラム「与えられた環境でいかに自分の花を咲かせるか?」

中川 直人

 私事で恐縮ですが、大学受験を控えている高校3年生の娘と高校1年生の息子がいます。結婚して19年になりますが、妻とはこれまでけんからしいけんかをしたことがありませんでした。子供たちがこの年齢になると、とかく「学校の授業がわからないから塾に行きたい」と言ってきます。娘が高校1年になった時にもこの会話をかわしました。先日、息子から同じ相談を受けました。このことに関して、妻と初めてけんからしい言い合いとなりました(笑)。妻からは、「どうして子供の気持ちを分かってあげられないの?」と言い寄られました。その時に私の考え方を皆様とシェアしたいと思います。 

 私が子供たちに返した質問は、「いま学んでいる環境や時間を最大限生かしましたか?」です。この言葉には、

・成績の良い同級生に効率よい勉強方法を聞いてみたか?(人的資源の活用)

・理解できない単元は先生に質問しにいったか?(人的資源の活用)

・図書室を利用してみたか?(物的資源の活用)

・授業が理解できるように予習をしていたか?(時間の有効利用)

・授業が理解できるように復習をしていたか?(同上)

・ゲームをする時間を減らしたか?(同上)

・将来の職業について自分の適性にあうものを同級生と話してみたか?(人的資源の活用)

などの意図を含めています。

 ここに掲げた意図に対しての息子の答えはすべて「やっていない」です。効率よく勉強して成績を伸ばしている同級生がいるはずです。聞くのが恥ずかしいならば、その生徒の様子を見てやり方を盗んでもいいと思います。先生に質問しにくいのであれば、理解している同級生に聞いてみることでもいいと思います。授業で使っている教科書が理解しにくいのであれば、図書室の参考書をあたってみるという行動もあってよいと思います。初めて聞く単元の授業が分かりにくいのであれば、あらかじめ教科書を読んで、理解できたところと理解できなかったところを明確にして教科書にしるしをつけておき、授業中に先生がそこを説明した時には聞き洩らさずにしっかり聞くことも大切です。学校から課題がでないということであれば、自分で問題集を買ってどんどん解いていくという復習のやり方を考えることもできると思います。予習復習の時間を確保するには、ゲームの時間を減らすという行動変化も伴うことになります。これらがすべて「やっていない」のです。

 私が子供たちに投げかけた質問には、実は「人生の泳ぎ方」を分かってほしいという気持ちがバックボーンにあります。私の経験を一つシェアします。

 私がアメリカのPharmDプログラムの学籍を得たのちのことです。TOEFL iBTのスコアをしっかり取れるまで英語の勉強をしてきたから、ある程度英語に自信をもって渡米しました。オリエンテーションの時間の教員の英語がほとんど聞き取れず、心がざわつきました。「まだ正規の講義は始まっていないから大丈夫!」と自分に言い聞かせて、翌日の講義に臨みました。でもやっぱり講義の内容がうまく理解できません。心のざわつきが不安感・恐怖感に変わりました。「本当に単位がとれるのだろうか・・・?」この状況で私がとった行動は次の通りです。

・ハンドアウトは事前にダウンロードできるので、単語の意味調べをしつつ、講義の流れを大まかに把握する。

・ボイスレコーダーを準備して講義はすべて録音する。聞き取れなかった部分は、ハンドアウトにクエスチョンマークを入れておく。

・講義終了後は、録音した講義を再度聞いて、聞き取れなかった部分は再生速度を遅くして聞いて理解する。

 ハンドアウトは少なくとも講義の前後で3回目を通すことになります。これをずっと続けました。

 何が言いたいかというと、与えられた環境で生き抜くためには、「知恵を絞り、工夫する」ことだということです。良い環境を求めればきりがないです。

「与えられた環境でいかに自分の花を咲かせるか?」

 その答えは、「知恵を絞り、工夫する」。簡単な言葉かもしれませんが、「知恵を絞る」過程は、脳みそから汗をかくくらい知恵を絞る必要があります。工夫したことがすべて効果があって好転するとは限りません。失敗してはまた工夫して生きていく。薬学生しかり、現役の薬剤師の先生方しかりかと思います。もちろん、私も今の環境で自分を光らせることに注力していますよ。

 

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