生涯教育(CE)

« 第186回コラム「Zoomを活用したバーチャル薬学国際交流」 | トップページ | 第188回コラム「2021 ASHP Midyear Clinical Meetingに参加して」 »

2021/11/30

第187回コラム「集中治療初心者の”日本語”資料の紹介」

  前田 幹広, Pharm.D.

 近年集中治療室に薬剤師が配属されることが珍しくなくなり、どのように勉強すれば良いか聞かれることも多々あります。米国のレジデンシープログラムでは、New England Journal of Medicineを始め、有名どころの雑誌の総説をひたすら読んで(読まされて)、知識を身につけていきました。Dr. Marinoが執筆されているICU Bookを指導薬剤師から勧められましたが、集中治療初心者の私にとって、英語でICU Bookを読んで勉強するほどの能力はありませんでした。英語の論文や書籍を紹介すると取っ付き難い方も多いため、日本語で勉強できる集中治療に関する書籍を2つ紹介いたします。

  1. INTENSIVIST 出版社:MEDSi

 JSEPTIC: Japanese Society of Education for Physicians and Trainees in Intensive Care (日本集中治療教育研究会)による編集で、集中治療のテーマで年4回発行しています。私が米国から帰国した2010年に衝撃を受けたのを覚えています。英語で総説を読んで勉強していた私にとって、日本語でここまでエビデンスに基づいた集中治療に関する書籍であるINTENSIVISTを知っていたら、もしかしたら基礎知識をINTENSIVISTで身につけることを選んでいたかもしれません。それだけ、内容に関しては充実しています。

 INTENSIVISTは、大きなトピックの「特集」と少し小さなトピックの「コラム」で構成されており、読者が興味のあるところから読み進めることが可能です。すべてのトピックが深く記載されており、薬剤師にとってはちょっとここまでは…というところまで書いてあります。例えば、20163月の「管/ドレーン」を薬剤師が全て知ることは難しいかもしれません。一方で、「膠原病・血管炎」では、集中治療室では頻繁ではないが、知らなければいけない知識として全身型エリトマトーデスの緊急病態や劇症型リン脂質抗体症候群、そして急性期治療で使用するステロイド、免疫抑制剤、生物学的製剤などの解説など、調べるために膠原病の他の書籍などを参照しなければいけない内容も凝縮しています。

  1. クリティカルケア薬 Essence & Practice 出版社:じほう

 私は編集で関わっていますが、とにかく現場の医療従事者が使いやすい書籍を目指しました。重症患者の薬物治療では、添付文書情報のみでは、太刀打ちできないことが多く、海外のエビデンスをその時々に調べる必要が出てきます。しかしながら、一刻を争うときに一々調べる時間がない場合に、全部そこに情報が集約していたらいいのに、というコンセプトのもとJSEPTIC薬剤師部会が執筆をして完成した書籍です。編者と執筆者が入れたい内容を入れていたら1000ページを超えてしまいました。

 書籍の構成は、大きくⅠ章〜Ⅴ章の集中治療に関する薬剤の総論とⅥ章の各論に分かれています。集中治療初心者の皆さんには、是非とも1ページ目から読んでいただき、集中治療の薬剤師が身につけるべき基盤を作っていただきたいと思います。さらに現場で医師や看護師から問い合わせを受けた際には、薬剤別の項目で逐一確認してみてください。その答えを深く知るために、その参考文献を辿って勉強していくと、より深い薬剤の知識を身につけていくことが可能となります。

 最後に、どのような知識を集中治療領域の薬剤師が学ぶべきか、”An Opinion Paper Outlining Recommendations for Training, Credentialing, and Documenting and Justifying Critical Care Pharmacy Services” Pharmacotherapy 2011;31(8):135e–175eに記載があるため、確認していただきたいです。

 ※ご紹介したICU Bookは、現在日本語版も出版されていますので、是非読んでみてください。

« 第186回コラム「Zoomを活用したバーチャル薬学国際交流」 | トップページ | 第188回コラム「2021 ASHP Midyear Clinical Meetingに参加して」 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 第186回コラム「Zoomを活用したバーチャル薬学国際交流」 | トップページ | 第188回コラム「2021 ASHP Midyear Clinical Meetingに参加して」 »

2022年9月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

薬学関連のサイト

最近のトラックバック

無料ブログはココログ