生涯教育(CE)

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2017/09/29

第137回コラム「アメリカ薬学生による薬学団体活動の必要性」

城戸和彦, Pharm.D., M.S., BCPS

 アメリカの薬学生は、ほぼ全員が何らかの薬学団体に所属しています。学生支部が存在する団体の代表例として、アメリカ病院薬剤師会(ASHP)やアメリカ臨床薬学会(ACCP)があります。薬学生は、学生支部での活動を通して、薬学知識の習得と応用、さらには、薬剤師になる上でのプロ意識(プロフェッショナリズム)を身につけていきます。今回は、私がサウスダコダ大学薬学部で教員アドバイザーを務めるACCP学生支部における学生の具体的な活動をいくつか取り上げて、薬学生の薬学団体での活動の必要性を議論していきたいと思います。

ACCPはここ数年、薬学生の学会活動への関与改善を目的に、学生支部の発展を通して学生活動の機会を増やしていきました。主な活動としては、ACCP年会への学生参加を推進するためのレジデンシー就労活動フェアの開催や、各大学代表チームによるクイズ王決定戦です。そして、もっとも身近に学生が地域医療に貢献できる、学生主体の健康フェアの開催も行っています。

ACCPは、ここ数年多くの学生向けのプログラムを年会に組み込んで、学会参加する学生の数を増やしています。レジデンシー就労活動フェアとクイズ王決定戦はその代表例です。レジデンシー志願者の増加に伴って、ACCPは学生参加者のためにレジデンシーのポジションを得るためのセミナーを開催しています。具体的には、志願書作成における注意点、面接対応の練習、そして現レジデントや各エリアの薬剤師との質疑応答などを行います。このような活動を通して、学生は、レジデンシー競争に勝ち抜くための知識を得て、そして、レジデントや専門薬剤師との議論を通して、プロ意識を身につけていきます。さらに、大きな目玉として、ACCPの年会での各大学代表チームによるクイズ王決定戦は、日ごろ学んできた薬物治療などの知識を基に、クイズ形式で各大学の代表チームが競います。その本戦前に、各大学で学生の代表チームを決めます。その後、全米の各大学の代表チームが、全米の薬剤師が作成した問題を基に点数を競います(https://www.accp.com/stunet/compete/overview.aspx)。今年は、全米で115校が出場しました。サウスダコダ大学もベスト16まで行きましたが、残念ながらACCPの年会で開催されるベスト8目前で敗戦しましたが、学生は知識の向上を含めて、各大学の代表というプレッシャーを背負って全力をつくしました。ベスト8のチームは、ACCP年会のメイン会場において、トーナメント方式で競います。観客は、ほぼすべて全米の薬剤師であり、学生のうちに、このような知識を評価される場所があることは、知識取得に対するモチベーションの向上につながると思います。

学生主体の健康フェアでは、主に血圧、血糖、脂質測定と健康相談を行います。薬学生は、事前に薬物治療の授業を受講した上で、各州のイベント先で開催します。高血圧や糖尿病の治療学の知識の応用は基より、実際の患者と接することで、コミュニケーション能力の向上やプロ意識の向上にもつながり、各方面での相乗効果を期待できます。薬剤師が各イベントに引率しますが、イベントの日程調整や運営は学生が行います。このことで、チームワークの構築さらには、リーダーシップのスキル向上を期待できます。

 全米の薬学団体は、学生会員の団体活動参加も重要な学会発展の一部と考えています。薬学教育と現場での実務の途切れのないカリキュラムの構築において、学生の薬学団体での活動による知識やプロ意識の向上も、重要な議論の一つであると思います。

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