生涯教育(CE)

2022/11/28

第198回コラム「アメリカ薬学教育におけるDEI(Diversity多様性、Equity公平性、Inclusion受け入れ)の重要性」

城戸 和彦

 私は現在ウエストバージニア大学薬学部に在籍し、薬学部のDEI委員会議長を務めている。そして、アメリカ臨床薬学学会(American College of Clinical Pharmacy)でのDEI特別委員会委員としても薬剤師教育におけるDEIについて取り組んでいる。アメリカ薬学教育に関係なく、企業、病院、薬局など多くの場所でDEIという言葉を耳にするようになった。そもそもDEIとは何であろうか。Diversityとは直訳は多様性という意味である。社会は、人種、性別、年齢、性的志向、身体障害などの有無から様々な人が集まる。この多様な社会は、組織に様々な視点や価値観をもたらし、多くの斬新なアイディアやプランが生まれるという理論だ。Equityとは公平性という意味だが、これは、組織の人すべてに公平な機会を与えることを指している。人種、性別、年齢、性的志向、身体障害などの有無に関係なく、みな公平なキャリアが築けるようにすることで組織は成長する考え方である。そして最後に、Inclusion(受け入れ)だ。これは上記で話したDiversityEquityの受け入れも加味する。多様な人々の集まりを組織は歓迎して、様々な意見や価値観を受け入れることから組織は成長する考え方である。つまりDEIを推進させた組織が成長をすることができるという認知から医療現場に限らず、アメリカでは多くの企業でDEIを推進している。

 私たち教員は、このDEIの考えをアメリカ薬学教育に反映させようと日々努力している。例えば、薬学生は実習中や卒業後のレジデンシー教育などで多様な患者と接する。その際にバイアスをもって患者に接していないだろうか。もしそうなら、なぜバイアスが生まれるのだろうか。やはり、それはDiversityInclusionの考えが根付いていない場合だと考える。社会には上記に挙げた点の有無から多くの異なった人々がいる。医療従事者は様々な患者を受け入れ、バイアスのない医療を提供する必要がある。薬学教育でのDEIの考えの育成が、DEIを理解した医療従事者の育成へとつながる。さらに、医療現場も組織である。多職種連携など多く議論されているが、これもDEIの考え方からすれば必然的な形である。卒業生が将来リーダーになる場合はどうだろうか。リーダーはチームのメンバーに公平(Equity)に機会を与えることが大切である。そして、多様な意見を受け入れ、その議論から新しいアイディアや方向性を導いていくことが大事である。まさしくDEIの考え方そのものだと考える。

 ウエストバージニア大学薬学部では、薬学カリキュラムに、多様性の理解を促すために多文化の代表者から構成されるパネルディスカッション、患者症例への多様な患者背景の組み込みとそれらが症例プランに与える影響、そして薬学マネージメントの授業にて、組織において多様性社会における包括的な文化を構築することができるリーダー育成などを行っている。アメリカでは代表的な薬学団体において、DEIについてのセミナー、パネルディスカッションなど、多くの議論がされている。今後は、各施設でのDEI委員会の設置、そしてさらなる多様性社会への準備として、薬学教育へのDEIの応用が教員の立場から重要だと考える。

2022/10/31

第197回コラム「PGY1 Pharmacy Residencyを修了して②」

Megumi Howard,Pharm.D.

 今回は、レジデントプログラム後半(1~6月)の内容を紹介します。

次期レジデント候補者審査

翌年7月に始まるレジデンシープログラムへの申し込み締め切りは、12月末であることが多いです。最近はレジデンシー希望者に比べてレジデンシーポジションが足りておらず、面接に呼ばれる候補者は応募者のうち10~20%程度に限られます(プログラムによって多めに面接をするなど違いはあります)。更にマッチするのはそのうちの数名なので、かなりの狭き門になってきています。私のプログラムは、その年のレジデントを含め30名程度のプログラムディレクター、コーディネーター、指導薬剤師が数グループに分かれ、候補者のCV、自己推薦書、推薦状、学業成績などを評価し、平均値の高い候補者から順に面接に呼ぶことになっています。1~2月に順に面接を行うのですが、プログラムディレクター、マネージャー、指導薬剤師、その年のレジデントが数人ずつグループに分かれて各1時間ずつ面接を行うので、候補者にとってはほぼ一日がかりの面接になります。面接者は各々の候補者に対して点数をつけ、全面接者からの平均点の高い順にプログラムにマッチしていくことになり、3月に発表となります。

1-3月

Heart and Vascular Institute(高度心不全外来クリニック)

高度心不全を専門に診るクリニックでの外来薬剤師業務を経験しました。指導薬剤師はPGY2で循環器を専攻した循環器専門薬剤師で、

外来のCDTAは院内でのCDTAよりも範囲が広く、指導薬剤師は医師への相談なしに心不全に関連するすべての薬剤を処方、投与量や間隔の調整など薬物治療に関してはすべて薬剤師に任されます。高度心不全の診断がつくと、医師から病態や今後のプランについて説明があり、ここで薬剤師に交代します。副作用やコスト、服薬アドヒアランスを考慮して漸増し、最大耐性量に達した時点で医師に交代し、人口心臓や移植などその後のプランを話し合うことになります。

大学院での講師

レジデントがプログラムの一環として薬学生の講義の一部を受け持つことは珍しくはないのですが、私の場合はたまたま近所の大学院から話をいただき、授業だけでなくシラバス作成やメール対応などすべてを受け持つことになりました。他2名のレジデントとそれぞれ担当するトピックを選び、診療看護師のクラスに薬理学を教えたのですが、薬学の学生とは全く違った視点での質問を受けたり、テストでは予想していなかった問題でのミスが多かったり、逆に難しいと思った問題の正解率は高かったり、と非常に興味深かったです。

Pharmacy Administration(経営・管理)

Administrationの研修では、病院の経営サイドのことを学ぶため、毎日数えきれないほどのミーティングに参加しました。そのうちの一つPharmacy & Therapeutics Committee(コストや新しい論文をもとに、病院のフォーミュラリーを検討する委員会)ではHyperuricemia drugsを担当し、ひとつひとつの薬についての効果と副作用のエビデンス、費用対効果の論文を紹介し、どの薬をフォーミュラリーに入れるべきか、どのような条件を付けるべきか、といったプレゼンテーションを行いました。その場の投票によって提案内容が受け入れられるか決定され、一度決定すると数年間は再評価されないため、自分の文献検索・評価能力によって病院や患者さんに数年間多大な影響を与えると思うと重い責任を感じました。また自分のリーダーシップのスタイルや自己評価と他己評価を比べることにより自分の強み、弱みを知るといった課題も与えられ、今後のキャリアや昇進のために自分に必要になってくるスキルを学ぶこともできました。

NICU/OB-GYN(新生児/小児/産婦人科)

学生の時に小児科の臨床研修はしなかったので、これが初めての新生児医療・小児医療経験でした。業務内容自体は同じように病棟回診、TPNなのですが、新生児医療は特に薬の選び方が大人とは全く違ったり、子どもの治療のために母親の病歴や投薬歴を確認する必要があったり、今までと全く違った視点や知識が必要であることを実感しました。

血糖コントロール

血糖コントロールチーム薬剤師の仕事は、院内で高血糖・低血糖が記録された患者さんのリストを確認し、その中でインスリン量の調整や薬の変更が必要な患者について、担当医にアドバイスをしていくことが主な業務です。薬剤師は5つある系列病院の患者も含め、一日に100名程度の患者カルテを確認していきます。

4-6月

レジデント研究発表会

5月は長期プロジェクトの集大成をサンディエゴでの学会で発表予定だったのですが、出発前日にCOVID-19に罹患してしまい、参加することができませんでした。ワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州、アリゾナ州のレジデントが一同に介する機会だったので楽しみにしていたのですが、私は結局プレゼンテーションを録音してアップロードする、というコロナ禍スタイルになりました。

Surgical ICU/Medical ICU(集中治療)

集中治療も幅広い知識と経験を必要とする専門分野であり、期間は少し長めの6週間に設定されていました。高度なケアを必要とする患者さんばかりのため、看護師さんと患者さんの割合は1:2、病態によっては1:1に設定されています。業務内容は病棟回診、Pharmacy Consult、処方監査などの通常業務に加え、持続点滴の濃度や処方タイミングを調整して点滴が途切れないよう手配したり、使用頻度の低い薬が出た時は看護師さんへ情報提供したりすることもあります。また私の病院では、ICU担当薬剤師が救急外来以外のコードブルーを担当することになっていたため、臨床研修中は全てのコードブルーへ参加しました。薬剤師は大抵コードカートの前に位置し、チームリーダーと薬剤投与を行う看護師を確認、状況を見て必要な薬剤を予測しながら調製し、必要に応じてタイマーをセットしエピネフリンの間隔をチームに再確認したり、病棟にストックのない薬の使用が予測される時は、薬局に連絡し届けてもらうよう手配したりします。

Antimicrobial Stewardship (抗菌薬適正使用)

AMS薬剤師業務は、血液・髄液培養陽性者、呼吸器パネル陽性者、抗菌薬>7日間使用者といったハイリスク患者リストを確認していくところから始まります。その中から介入が必要と薬剤師が感じた患者リストを作成し、毎日スケジュールされている感染専門医とミーティングでプレゼンし、お墨付きをもらった上で各担当医へアドバイスを行います。

 レジデントの育成にはプログラムディレクター、コーディネーター、何十人ものプリセプターが関わって、時には時間外でレジデントのために準備をしてくれたり、毎月個人面談を設けて興味のある分野を確認してローテーションの調節をしてくれたりしました。プリセプターのほとんどが同じようにレジデンシーを経験しているため、自分の持つ知識や資源はいくらでも提供する、レジデントの成長のためなら努力はいとわないという姿勢を感じました。米国ではいったん就職すると部署の移動などはないですし、専門性が高いため転職をしない限り他の分野を学ぶ機会というのはほとんどなくなってしまいます。学生実習とレジデンシーが専門外の分野を学んだり、自分の本当にやりたい専門を選ぶ最後の機会になることが多いです。レジデント期間中は忙しく、給与も通常の1/2~1/3程度と低く、途中でドロップアウトするレジデントも少なくありません。それでも修了すると2~3年間の勤務経験に値するとみなされ、給与もそのように扱われます。臨床薬剤師の第一歩を踏み出し、強力なスタートダッシュを切るための大事な手段となっています。

2022/09/30

第196回コラム「PGY1 Pharmacy Residencyを修了して①」

Megumi Howard, Pharm.D.

 この7月に、ワシントン州シアトル市にある「Swedish Medical Center」のPGY1(Post-graduate year 1)レジデンシープログラムを修了しました。Swedish Medical Centerは5つの系列病院をもつ地域病院で、メインのキャンパスは700床の入院施設を保有します。今回と次回のコラムでは、具体的にどのような内容をレジデントとして学ぶのか、病院薬剤師レジデントとしての7月から翌年6月末までの一年間を時系列で紹介したいと思います。今回は前半の7月~12月までの内容を中心に紹介します。

 PGY1レジデンシープログラムは、大きく次の4つに分類できます。Pharmacy(病院を中心とした一般的なプログラム)、 community(外来薬局を中心としたプログラム)、 managed care(保険や費用対効果を中心としたプログラム)、 combined PGY-1/PGY-2 training programs(2年間のプログラム、経営や運営を中心に学ぶ)です。私が修了したレジデンシープログラムは、一般的な病院を中心とした「Pharmacy」のプログラムで、第183回会員コラム(http://pharmd-club.cocolog-nifty.com/blog/2021/07/post-07c018.html)で横田先生が紹介された外来クリニック(Ambulatory Care)も含め、様々な分野で幅広く研修を行います。私を含めてPGY1レジデントが6名、PGY2レジデントが1名という、平均より少し大きめのプログラムでした。各レジデンシープログラムによって学べる分野や方法に差はあるものの、一定の質を担保するために、ASHP(米国病院薬剤師会)によって修了までに必須のスキルや研修内容など、細かい規定が定められています。

近年、米国のほとんどの病院や外来クリニックではレジデンシー経験を雇用条件として必須としており、専門薬剤師になるためには更にPGY2の経験を求められることも多くなってきました。米国の薬学生は、実習の際に「インターン免許」が与えられ、プリセプターの監督下で薬剤師の全ての業務を経験します。一方、レジデントは既に免許をもった薬剤師であり、独立して業務を行うことが可能です。疑問があれば指導薬剤師に質問をしたりディスカッションをしたりして確認はしますが、最終的には薬剤師としてレジデント自身が最終的な決断を下していくことになります。

7-9月

General Medicine(一般内科)

一般内科病棟での臨床研修は、プログラムの初期に行うことが多いです。ここで回診前の患者情報収集、病棟回診、Pharmacy Consult、処方監査、多職種への薬剤情報提供など、基本的な臨床薬剤師としての業務を学びます。Pharmacy ConsultはCDTA(Collaborative Drug Therapy Agreement)とも言い、あらかじめ作成・合意されたプロトコルを基に、定められた病態に対して医薬品の選択、投与量、投与方法、投与期間等の変更や検査オーダーを薬剤師の権限で行うことができます。

Solid Organ Transplant(臓器移植)

移植医療は日本と比べ件数が非常に多く、一部の高度医療を担う病院だけではなく地域病院でも一般的に行われています。私の病院では肝移植・腎移植が主に行われており、薬剤師の役割は移植候補者ミーティングや病棟回診への参加、移植日や移植後免疫抑制剤の用量やタイミング調節、患者カウンセリング、外来クリニックでの薬の調節やリフィル処方、服薬アドヒアランスの確認等でした。

Geriatric Medicine(老年内科)

老年内科は高齢者に特有の疾患を中心としたケアを提供します。認知機能チェック、社会的サポート、心理的要因など多方向からのケアを行うため、老年内科チームは老年内科専門医、研修医、ソーシャルワーカー、臨床心理士、薬剤師で構成されています。それぞれが1人ずつ患者さんを15分ずつ診察するため、一回の診察にじっくり2時間程度の予約時間を設けています。

薬剤師の業務としては、認知機能低下に寄与している市販薬やサプリメント、処方薬がないかどうか、Beers criteriaに載っている薬が不適切に使用されていないか、アルツハイマー型認知症などの診断がついた場合はどの薬物治療が最適かなどを確認し、その場で医師へのフィードバックを提供します。各々のチームメンバーからフィードバックを受け取った医師が最後に患者さんと30分程度まとめの面談をして診察終了となります。

臨床業務以外の研修

臨床研究テーマ選び

レジデントはLongitudinal projectと呼ばれる一年間をかけて行う長期プロジェクトに加えて、いくつかの短期プロジェクトを並行して勧めていきます。長期プロジェクトに関しては、研究の立案と申請、治験審査委員会(IRB)の承認取得、データ収集、統計分析、ポスター発表、全米各地域で行われるレジデント研究発表会でのプレゼンテーションを行うことが必須となっています。まずは興味のあるテーマを選び、それぞれにサポートする指導薬剤師がつきます。

学生指導

米国薬学生もそれぞれ興味のある分野を選んで実習を行うため、レジデントと同時期に同じ科で実習を行うことがあります。そのような実習生指導もレジデント業務の一環です。個々の患者の薬物治療プランを考えてもらいディスカッションをしたり、実習生の書いたカルテの確認、トピックディスカッションと呼ばれる病態や症例に関しての発表、ジャーナルクラブなどを一緒に行います。レジデントと学生だけで行うこともあれば、薬剤部や看護部など全体に向けて発表することもあり、準備中に質問やアドバイスが欲しい時の基本的な連絡先はレジデントになります。

10-12月

Staffing開始

病院内で独立した臨床薬剤師として働くこともレジデント業務の一環です。Staffingと呼ばれ、臨床研修に影響がないよう隔週末に行われるため、開始後は12連勤2連休の繰り返しとなり、レジデンシーが過酷なものだと呼ばれる一因となっています。一般内科病棟を担当することが多いですが、シフトによって病棟ではなく院内薬局で働くこともあります。当日は完全に一薬剤師として扱われ、指導薬剤師やダブルチェックをする薬剤師などはいませんが、それぞれに担当指導薬剤師がおり、後ほどフィードバックをもらうことができます(例えば、私がバンコマイシンの用量変更をした後、実際の血中濃度の情報を再確認してくれたり、場合によってはアドバイスをくれたりします)。

アメリカでは、Pharm.D.課程を卒業して初めて薬剤師国家試験受験資格が得られます。毎日のように試験が行われているため(コンピュータ試験)、試験会場や試験日は自分で決めることができます。もし最初の挑戦で受からなくても、定められた期間を空ければ(薬剤師試験の場合3か月)再度挑戦することができます。レジデントは9~10月からStaffingが始まるため、それまでに試験に受かり薬剤師免許を取得することが必須となっています。あまりに遅くならない限りは自分のタイミングに任されており、私は7月末に免許を取得しましたが、6月に取得したレジデントもいれば9月に入ってからのレジデントもいました。

Anticoagulation Clinic(抗凝固療法外来)

最近の米国では薬剤師による抗凝固療法クリニックが一般的になり、ワーファリンの用量を決めたことがない若い医師が少なくないと聞きます。処方医から、病名、INRターゲットなどの情報を含んだ依頼を受け、患者さんの希望や病態に応じて対面、電話、オンラインなど受診方法や受診間隔を決めます。2~3週に一度クリニックに直接来てもらいINRを測定して用量決定する患者さんもいれば、INR測定器を家で使用してもらい、オンラインで毎日INRや食事、生活スタイルの変化などのアンケートを送信してもらい、週に一度メッセージで用量変更を伝えることもあります。この家で測定してもらうスタイルの場合、初回の一回だけ器具の使い方やオンラインシステムをきちんと使えることを確認すれば良いだけなので、患者さんが病院やクリニックの少ない地域に住んでる場合にも重宝されています。患者さんが手術や処置などを控えていて抗凝固療法が好ましくない場合なども、抗凝固療法担当薬剤師がエノキサパリンを処方したり、ワーファリンを中止する日を指定したりといった調整を行います。

Oncology(腫瘍学)

米国は日本と比べ、かなり多くの種類の抗がん剤治療を外来で行うため、入院治療は一部の血液がんなどに限られます。私の臨床研修は外来3週間、院内1週間の外来寄りで、レジメンとサポートするエビデンスの確認、用量や間隔、ケモ前投与薬剤の確認などを行いました。ケモ投与日の患者さんは毎回診察がある訳ではなく、薬剤師による検査値確認が出来次第投与開始、というスケジュールになることも多いため、看護師さんとのコミュニケーションが必須で、薬に関する質問を受けることも一番多かったように感じました。通常業務に加え、日々の薬物治療プランのディスカッションや症例発表なども並行して行い、私は“Targeted Therapy for Cholangiocarcinoma”というテーマでプレゼンテーションを行いました。治験薬の使用が多い大学病院や規模の大きい病院ではInvestigational Drug Servicesと呼ばれる治験薬の管理や患者カウンセリングを専門とした薬剤師が常在することが多いですが、小規模な病院では抗がん剤専門薬剤師が兼務することもあります。

(次回に続く)

2022/08/30

第195回コラム「COVID-19経口薬 Paxlovid (パキロビッド)」

横田 麻衣

COVID-19パンデミックが始まり約2年半を迎えようとしている。パンデミック宣言当初と比べるとウィルスについての情報が増え、治療薬やワクチンも普及してきた。
アメリカではCOVID-19経口薬Paxlovid(パキロビッド)の緊急使用が2021年12月より承認された。勤務している外来クリニック内の薬局でもパキロビッドの処方箋を受け、調剤することがある。また、先月COVID-19に感染したバイデン大統領も服用したことから最近更に注目が置かれている。今回はCOVID-19新経口薬、パキロビッドについて情報を共有したいと思う。

Paxlovid (パキロビッド) とは

一般名:ニルマトレルビル、リトナビル

作用機序:

・ニルマトレルビル…タンパク質合成酵素であるプロテアーゼを阻害することによってウィルスの増殖を防ぐ。

・リトナビル…ニルマトレルビルの代謝を阻害することで体内濃度を保つ。
対象:

5日以内にCOVID-19症状が発症した重症化因子(入院・死亡)を有する軽症から中等症の成人または12歳以上であって体重が40kg以上ある小人。

用法・用量:
ニルマトレルビル150 mg 2錠 (ピンク色)
リトナビル100mg 1錠 (白色)
合計3錠を1日2回、5日間服用。
中程度の腎機能低下(eGFR=30〜60 mL/min)患者の用量・用量:
ニルマトレルビル150 mg 1錠 (ピンク色)
リトナビル100mg 1錠 (白色)
合計2錠を1日2回、5日間服用。

重度の腎機能低下(eGFR 30 mL/min以下)患者の用法・用量:

使用を推奨しない。
副作用:

味覚の変化または味覚不全、下痢、血圧の上昇、筋肉痛が服用者1〜5%に認められた。

重大な副作用として肝機能障害、中毒性表皮壊死融解症が挙げられる。

禁忌:
薬の成分・材料にアレルギーがある患者。また、リトナビルが強いCYP3A阻害薬であるため、CYP3Aに強く依存している薬物との併用が禁忌。

臨床研究

EPIC-HR試験では軽・中等症の患者に対して、症状発症から3日以内にパキロビッドを投与した場合、プラセボ服用者に比べて入院・死亡率が89%減少した。また、5日以内に投与した場合は87%減少した。
パキロビッド治療後のリバウンド症状
パキロビッドの緊急使用承認がおりて以来、バイデン大統領を含め5日間のパキロビッド治療後に再びCOVID-19陽性の検査結果が出るというリバウンド症状が見られることがあると報告されている。現時点でわかっていることは以下の通りである。

  • 病原体の薬に対する耐性ができたわけではない。
  • 治療が不十分であったためである可能性が高い。

現在、リバウンド症状の機序、リバウンド症状に罹りやすい患者の特徴、リバウンド症状がもたらす危険性など、更に詳しく研究が行われている。

薬剤師としての役割

現時点でのパキロビッドは配合剤ではなく、ニルマトレルビルとリトナビルそれぞれの錠剤を服用しなければいけないため、患者の混乱を防ぐために服用方法の指導をしっかり行う必要がある。アメリカでは通常の投与量と腎機能低下患者の投与量でパッケージが異なるため、調剤をする際に注意が必要である。また、腎機能の確認が可能な環境の場合は検査値を再確認することも重要となってくる。

リトナビルに薬物相互作用が多いため、患者の服用薬を確認することも大切である。CYP3Aに強く依存する薬はもちろんのこと、依存性が少しでもある薬の発症する可能性がある副作用に対して患者がどのよう自宅でモニタリングできるのか、どのような症状が出たら医師・薬剤師に伝えるべきなのかをしっかりと指導する必要がある。

参考文献

  1. Fact sheet for healthcare providers: Emergency use authorization for Paxlovid. (2022, July 6). Retrieved August 24, 2022, from https://www.fda.gov/media/155050/download?ftag=MSF0951a18
  2. Mlynaryk, N. (2022, June 21).Covid-19 rebound after taking Paxlovid likely due to insufficient drug exposure. UC Health - UC San Diego. Retrieved August 23, 2022, from https://health.ucsd.edu/news/releases/Pages/2022-06-21-covid-19-rebound-after-taking-paxlovid-likely-due-to-insufficient-drug-exposure.aspx 

2022/07/31

第194回コラム「オピオイドの使用と薬剤師の役割について―処方と注意点に関して」

武田 三樹子

 日本では2020年にオキシコドンの適応が拡大し、「非オピオイド鎮痛薬又は他のオピオイド鎮痛薬で治療困難な中等度から高度の慢性疼痛における鎮痛」に使用することが可能になった。日本でオピオイドが慢性疼痛に使用される時代が来た。アメリカでは非がん性の慢性疼痛によくオピオイドが使用されている。私が2006年にアメリカに来て、カリキュラムの一環で薬局実習に行くと、必ずと言っていいほどオピオイドの処方を見ていた。しかも当時はオピオイドにベンゾジアゼピンと筋肉弛緩薬の組み合わせがよく処方されていた。オピオイドは疼痛管理には最強の薬である反面、その害も多く、医療用麻薬の原因によるオピオイド中毒、そしてオピオイドの中毒死まで至る例も珍しくない。そのようなオピオイドによる中毒死を防ぐために様々な取り組みを行ってきたが、2016年にCDCから、疼痛管理を専門としない医療従事者向けのオピオイドのガイドラインが発行された。それには、オピオイドを処方する際の注意点が12項目にわたってまとめられている。私はpharmacist clinicianという立場で慢性疼痛の患者の診療に従事し、controlled substances (CS) に指定されている薬物(アンフェタミン、オピオイド、ベンゾジアゼピン、プレガバリンなど)の処方箋も書くことが多い。オピオイドの安全使用のためには、処方する側も、調剤をする側も、このガイドラインをもとに様々な安全対策を行っている。今回は、オピオイドを処方する側から、アメリカではどのような決まりになっているのか、オピオイド処方の手順、また、オピオイドの処方にまつわる様々なエピソードも紹介したい。

 アメリカには処方権を持つ医療従事者の種類は日本よりも多いが、オピオイドを処方できる医療従事者は限られている。オピオイドやその他のcontrolled substances (CS)を処方するには、その医療従事者が アメリカ連邦政府の機関であるDrug Enforcement Administrationのライセンス (DEA licenseと呼ばれています) を取得していることが絶対条件である。私はpharmacist clinicianという職種で患者を診療しており、CSを処方するためにDEA licenseを所有している(ちなみに、CSを処方しないpharmacist clinicianも存在する)。

 まず診療する側は、本当に患者にオピオイドが必要なのかを客観的に判断するために、患者からの症状の聞き取りだけに頼るのではなく、フィジカルアセスメントや画像診断を行い、患者の症状を調べることが大事である。そして、到達可能な治療目標を患者と共に決める。例えば、痛みが10段階でゼロになりたい、というのはあくまでも患者の希望であり、痛みの種類によっては、痛みが消えることはない、ということも珍しくはない。しかし、130分歩くことができるようになりたい、家事を1時間だけでもできるようになりたい、というのは到達可能な治療目標である。さらに、オピオイド以外の鎮痛薬やそれに準じた薬(NSAIDs, gabapentin, pregabalin, SNRIs, TCAsなど)も使用し、痛みのコントロールを試みる。また、薬物治療のみならず、PT、カイロプラクティス、鍼灸などの治療も勧めてみる。どれを試しても効果がない場合、または、オピオイド以外の薬での治療薬で副作用が出たり、腎機能や肝機能の低下が問題となってオピオイド以外の治療薬を服用できない場合にオピオイドの使用が検討される。オピオイドを処方すると決まっても、患者には、オピオイド使用の長所や短所を話し、副作用、特に、オピオイドによる中毒死の危険性も話しておかねばならない。そして、最初から高用量を処方するのではなく、少量の投与を行い、必要に応じて増量することや、投与の中止も推奨されている。

 クリニックでは、オピオイドを処方するにあたっては、Controlled Substance Agreement (CSA) と呼ばれる書類に患者から署名をもらっておかねばならない。このCSAに書いてある内容は、CSに指定されている薬物をこのクリニックで処方するにあたり、患者が厳守しなければならないことを挙げたものである。具体的には、処方されたCSは、処方箋の記載通りに服用し、それ以上の量は服用しないこと、他の医療機関からCSの処方があった場合は、クリニックにすぐに報告すること、処方する医療従事者は3か月に一度はPrescription Monitoring Report (PMP reportと呼ばれています。これに関しては下記に別途記載します) の確認をしていること、定期的な尿検査の必要性と、患者はいかなる理由に関わらず尿検査を断れないこと、さらには、CSAに記載してあることを守れなかった場合には、医療従事者はCSの処方を終了することなどが記載されている。

 Prescription Monitoring Report (PMP report) は、州の薬務課のようなところが提供している、CSの処方状況が把握できるウェブサイトである。このウェブサイトは、医療従事者と薬局や薬剤師がアクセス可能である(使用者の登録とパスワードが必要です)。このウェブサイトでは、患者のCSの処方記録と、薬局で実際に調剤されたかを調べることができる。このPMP reportのシステムは個々の調剤薬局とつながっていて、薬局はCSの処方があった場合には、24時間以内に薬務課へ情報を送る義務がある。これは、患者がいくつものクリニックや薬局を回って、オピオイドなどの乱用されやすい処方薬を過量に入手することを防ぐために行われている。ちなみに前者はドクターショッピング、後者をファーマシーショッピングと呼ばれている。また、PMP reportからは、患者が早めにCSの処方を医療機関にリクエストしていないかを調べるために、前回の処方日を確認することにも利用されている。通常、オピオイドを処方する医療従事者は、最低でも3か月に一度はPMP reportの確認をしなければならない。

 オピオイドを処方する前には尿検査をし、違法薬物(メタンフェタミン、コカインなど)の摂取がないか、また、アルコールの接種がないかを調べておく必要がある。その理由は、それらの違法薬物の摂取を行っている患者は、一般的にオピオイドの中毒になりやすい傾向があり、また、それらの薬物をオピオイドと一緒に服用すると、中毒の危険性が高くなるからである。また、初回以降の尿検査は、最低でも6か月ごとに行わねばならない。初回以降は、違法薬物の他に、処方されている薬物とその代謝物が尿中で検出されたかも確認をする。信じられないかもしれないが、処方されたオピオイドを、市中の薬物中毒者に売って金銭を得る行為も珍しくないので、処方された薬物が定期的に処方されているにも関わらず、陰性結果が続くときには、この可能性を疑うこともある。

 オピオイドの処方をする際には、オピオイドの拮抗薬であるナロキソンの処方も推奨されている。アメリカでは、ナロキソンの経鼻投与は広く使用されている薬で、オピオイドの中毒死の予防のためには、医師の処方箋がなくても、薬局において薬剤師の判断で処方をすることができる。また、私が住んでいるニューメキシコ州では、オピオイドを処方する医療従事者は、処方した患者に対して、最低でも年に1回はオピオイド中毒に関する患者教育とナロキソンの処方が義務付けられている。

 実際にオピオイドの処方が始まっても、PMP reportは患者の安全のために頻繁に見ることが多く、私は処方する際はほぼ毎回確認しているといっても過言ではない。また、定期的にオピオイドの効果として痛みの具合の改善度や便秘や呼吸困難などのどの副作用の確認も行わねばならない。必要に応じて、OTC薬を用いた便秘の対処方法なども患者教育の一環として行う。

 恐らく、疼痛コントロールに関わっている医療従事者に、これまで診療した患者の中で印象に強く残っている患者の話をしてほしいと聞くと、幾通りもの興味深い話が聞けると思う。私自身、疼痛コントロールに関わるようになってから、患者さんの状態がよくなってよかったと思う経験もあれば、オピオイドによって人生が狂ってしまった患者にも出会った。日本では考えられないかもしれないが、アメリカではかなりの高用量のオピオイドを服用している患者に、hyperalgesiaという状態が引き起こされる場合かある。オピオイドは、高用量を飲み続けることで、余計に痛みの度合いが強くなる症状を引き起こすのである。この症状の解決には、投与量を減らすことしかないが、患者からの抵抗は想像以上に強い場合が多い。患者に根気強くhyperalgesiaのことを説明し、少量ずつ減量していく必要がある。また、尿検査をオーダーした際にありがちなことが、患者が尿検査を拒否したり、思わぬ行動をすることである。例えば、患者がCSの服用なしの家族と一緒にトイレに入り、その後尿を提出したケース、患者が検査カップを自宅に持って帰り、冷たい尿をクリニックに持ってくるケース、また、クリニックで採取した尿に、水道水を入れて尿のサンプルを薄めて提出するなどだ。もちろん、どの例も却下である。尿検査は、必ずクリニックで予告なしに行い、検体の温度は体温に近い温度のものを提出しなければならない。また、尿検査の際には、薬物の種類と濃度の測定だけではなく、薄めた尿の検体かどうかを見極めるために尿中クレアチニンの濃度も自動的に測定されている。

 ここまで読まれた方は、アメリカではオピオイドを含むCSの処方は煩雑だと思われる方が多いと思う。確かに煩雑で、用量・用量の確認や、CSの処方箋を書くのに必要な事項が書かれているかなどの確認を入れると、一人に処方箋を書くまでに、恐らく5分以上はかかっているいると思う。しかし、全ては薬の安全使用のためであり、患者にオピオイド中毒の犠牲にはなってほしくないという強い思いがある。

 

参考文献

Dowell D, Haegerich TM, Chou R. CDC Guideline for Prescribing Opioids for Chronic Pain — United States, 2016. MMWR Recomm Rep 2016;65(No. RR-1):1–49.

2022/06/29

第193回コラム「薬剤師・登録販売者・薬学生向け英会話書籍の紹介」 

岩澤 真紀子, Pharm.D., Ph.D., BCPS

 コロナ禍で海外旅行の機会や海外からの旅行者に接する機会が減ってしまいましたが、ようやく、ワクチン開発や治療薬の研究も進み、海外からの旅行客受け入れも開始されました。いつCOVID-19感染症が収束するのか、先が見えない状況にはありますが、近い将来、また外国人観光客が増え、薬局や病院での英会話が必要になることを想定して、今から準備してみませんか?

 近年、かかりつけ薬剤師、健康サポート薬局、リフィル処方箋など、薬局薬剤師を取り巻く環境が大きく変わってきています。病院においても、従来の調剤や服薬指導に加えて、残薬確認、術前の医薬品管理、服用後のフォローアップなど、患者サービスは多岐にわたっています。そこで今回、薬剤師の新しい役割にも対応すべく、実践的な英会話のフレーズをたくさん取り入れたポケットサイズの書籍、「薬局・病院ですぐに使える英会話フレーズブック」を発刊しました。http://www.tkd-pbl.com/book/b607211.html

 本書の特徴は、薬局、病院、服薬指導の3分で構成されており、外国人患者や顧客に向けてよく使用するフレーズを中心にまとめていることです。さらに、患者からよく質問される「お薬手帳」、「ジェネリック医薬品」などについて、丁寧にわかりやすく答えられるフレーズを取り上げ、Q&A形式で記載しました。IT時代になって、薬局でも病院でも、スマートフォン等のITデバイスを携帯している患者も増えていますので、それも踏まえて必要な会話を数多く取り上げています。

 このほか、難しい発音の英単語にはカタカナを付して、強勢の位置を太字で示しました。本書購入者本人に限り、ネイティブスピーカーによる音声データを無料で提供していますので、リズムやイントネーションをネイティブの発音で聴くことができます。米国英語だけでなく、英国英語の違いも意識して、違いが大切な箇所にはコメントを挿入し、日本と異なる習慣については、Tipsで説明しています。

 専門英語については、巻末付録として病名、症状、薬に関する用語を英和用語集、和英用語集としてまとめています。本書中で使用された用語については、掲載ページを付して索引としても使用できるように工夫しました。

 より多くの医療関係者の皆様に、ご活用いただければ幸いです。感想・コメント等もお待ちしています。

2022/05/31

第192回コラム「がん遺伝子情報カタログCOSMICとCIvicの紹介」

半田 智子,Pharm.D.

注意:デモビデオのリンクは以下の添付ファイルにあります

ダウンロード - e38387e383a2e38393e38387e382aa.docx

 

ゲノム医療の目覚ましい発展が、トランスリレーショナルリサーチの強化により、遺伝子研究の成果の臨床応用が急速に進んでいます。

一方、薬剤師がチーム医療に係る中で、治療方針を理解し時には患者の意思決定にサポートするような場面が増えることが予想されます。個人の特性に合わせた個別化医療が進められ、患者の薬剤応答性の個人差を起こす要因の一つとなる遺伝情報について、薬剤師が基本的な知識となるゲノムリテラシーを備える必要があります。現在Web上では、公的なデータベースを利用して、様々な臨床遺伝情報を調べることが可能です。

がん遺伝子パネル検査が2019年に保険適用となり、がん治療において遺伝子検査はさらに注目を集め、医療現場でも頻繁に行われるようになってきました。そこで今回は、がんのバリアント(多様体)が見つかった際に有用なCOSMIC(Catalogue Of Somatic Mutations In Cancer: コスミックと読む)というWebサイトhttps://cancer.sanger.ac.uk/cosmicをご紹介します。

COSMICは世界最大のがんの体細胞変異のカタログで、無料でアクセスできます。

ホーム画面のサーチボックスに遺伝子名、疾患名、がんの部位、バリアントの簡単な標記名をいれて検索できます。デモビデオを作成したので参考にしてください。

EGFR遺伝子のT790M変異についての情報を調べました。コード配列の2369番目の塩基がシトシン(Ccytosine)からチミン(Tthymine)に置換していることが示されています。さらにこのバリアントについて詳細を見ると、FATHMM prediction score0.5以上が病的とされているので、0.94であることから病的であることが分かります。

さらにCIvic(Clinical Interpretation of variants in Cancer:シビックと読む)https://civicdb.org/welcomeを使って臨床的解釈をしてみましょう。Civicはがんのバリアントの臨床的な解釈をする知識データベースです。

EGFR遺伝子のT790M変異について詳細を確認します。40件のエビデンスが報告されており、エルロチニブとダコミチニブはT790Mバリアントでは抵抗が示されており、オシメルチニブは感受性が示されていることが分かります。

COSMICのチュートリアルのhttps://cancer.sanger.ac.uk/cosmic/help/tutorials(English)と、CIvicのチュートリアルhttps://civicdb.org/pages/helpEnglish)のURLを提示します。

その他、遺伝子に関連した情報をいろいろなwebサイトから入手できます。遺伝子情報は日々更新されています。ゲノムリテラシーを磨いて、常に最新の情報を入手し、臨床で活用できるように心がけてください。

参考文献

・中山 智祥.医療に役立つ遺伝子関連Web情報検索(メディカルサイエンスインターナショナル)

・渡邉 淳. 診療・研究にダイレクトにつながる遺伝医学(羊土社)

2022/03/11

第191回コラム「ワーキングマザーを取り巻く環境-仕事と育児の両立の難しさの原因と対策-」

渥美 景子

 薬剤師は女性にとって働きやすい職業という人がいる。たしかに、薬剤師は国家資格であり離職しても再就職に有利かもしれない。パートで働くという選択肢もあり、子育て中などプライベートが忙しいときにも柔軟に働ける。しかし、それはある一面を指摘したに過ぎない。薬剤師は日々進歩する医療・薬の知識についていかなければならないなど、大変な面もある。また、女性の多い薬剤師の職場でも、他の職場と同様、「仕事と育児の両立の難しさ」は存在すると感じている。私は最近、育休や共働きの方が集まるコミュニティに所属し、他業種の方々と交流する機会を持った。そこで、仕事と育児の両立の難しさは、私だけではなく多くのワーキングマザー(以下:ワーママ)が感じているということに気づいた。それは個人の状況や職場環境の問題もあるかもしれないが、日本社会全体の問題なのだとようやく認識することができた。ワーママを取り巻く環境、仕事と育児の両立の難しさについて改めて整理してみようと思い、今回取り上げることにした。

  • 女性の労働力、共働き世帯の現状

 女性の労働力はM字型カーブとなっており、子育てで忙しい時期の離職が多いことはよく知られている。以前よりはかなりM字も緩やかになっており、離職数が少なくなってきていると考えられる1

 共働き世帯数は、1997年に専業主婦世帯数を上回った。共働き世帯の増加は著しく、2020年時点では、共働き世帯が1240万世帯と、専業主婦世帯が571万世帯の約2倍である1。▶

 一方、共働き世帯のうち、妻がフルタイム(週35時間以上)が495万世帯に対し、妻がパート(週35時間未満)が682万世帯と、パートの方が多い2。▶

 育児と仕事の両立はできてきているものの、心地よく両立できている人はどれくらいいるのだろう。検索エンジンで「ワーママ」と一緒に検索されたワードを確認すると、「しんどい」「疲れた」「休みたい」「退職」などが出てきてしまう。納得、安心して両立を継続できない原因は何なのか、状況を改善するにはどうしたらよいのかを考えてみた。

  • 育児と仕事の両立が難しい原因5

 両立が難しい原因の主なものとして、ここでは5つ取り上げた。

①長時間労働の社会

 日本の総労働時間は2020年時点で1人あたり1598時間/年と、OECD諸国平均1687時間/年より実は少ない3。これは日本のパートタイム労働者が25.8%でOECD諸国の第4位と多いこと、サービス残業が含まれないことなどが挙げられる。2014年時点では1564歳の男性の1日の平均労働時間は375分とOECD諸国で第1位であり、OECD諸国全体平均259分より約2時間も長い結果であった4。また、Expediaで行われた2018年の調査では、日本人の有給休暇取得率は50%と、19か国最下位であった5。長時間労働の社会となっているのは、以前このコラムでも紹介したメンバーシップ型雇用による生産効率の悪さも要因の一つと考えられ、根深い問題である(第178回コラム 日米における薬剤師の雇用形態の違い)。

 正社員は長時間労働が基本、有給休暇も十分に取れない状況であれば、女性が育児をしながら男性の正社員と同じように働くことは難しく、男性が家庭のための時間を割くことも難しいことは容易に想像できる。育児中の社員が取得できる短時間勤務制度(時短勤務)があるが、各事業主に導入を義務付けられているのは法律上3歳まで、制度があっても取れない雰囲気の職場もある。

 また、男性の育児休業取得率は近年増加しているものの、2019年では民間企業が7.48%、国家公務員が16.4%、地方公務員が8.0%といまだに低い水準である1。このことからも、男性が家庭よりも仕事を優先していることが伺える。

②男性の家事育児時間が少ない

 長時間労働の社会であることにも通じるが、日本は圧倒的に男性の家事育児時間が少ない。2016年における6歳未満の子供を持つ夫の家事・育児関連に費やす時間は1日あたり83分、諸外国は約150200分である。その分、女性の家事育児時間は、諸外国は約348373分のところ日本は454分と長くなっている2

③社会の子育て支援が十分でない

 以前より社会の子育て支援は整備されつつあるものの、十分ではない可能性がある。例えば、保育園や学童の待機児童は減少傾向であるも、完全にはなくなっていない。また、子供の体調不良などで取得できる看護休暇の日数は、子供1人あたり年5日間。保育園の0歳児クラスの子供だと年19.3日は保育園を休むという報告6もあり、日数が十分とはいえない可能性がある。看護休暇が有休か無休かは法律で定められておらず、無休の職場が多いのが現状ではないか。女性就業率の高いスウェーデンの看護休暇は年間120日、休暇取得中も給料が80%保証される7ことに驚いた。

④育児自体が大変

 日本はもともと「自分のことは自分で何とかする」「人に迷惑はかけないように」という文化が根付いている。育児に関しても、人に助けを求められないと考えている場合が少なくない。また、子供が騒いだりすると冷たい視線を感じるなど、子供が社会に迷惑をかけないように親が管理しなければならない、という空気があるようにも感じる。また、従来はあった近隣との助け合いも近年は少なくなっており、育児の負担が増している可能性がある。

⑤性別のアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)が残っている

 日本には性別のアンコンシャスバイアスが根強く残っている。2021年度に行われた性別役割意識に関する調査研究では、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた割合が男女共に高い項目として、「女性には女性らしい感性があるものだ」「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」「女性は感情的になりやすい」「育児期間中の女性は重要な仕事を担当すべきでない」「共働きでも男性は家庭より仕事を優先するべきだ」「家事・育児は女性がするべきだ」「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」が挙げられた8。このうち4つが家事育児、仕事に関する項目である。また、この結果から性別役割意識は異性に対する思い込みのみでなく、男性・女性自身も自分の性別に関して思い込んでいることがわかる。2019年の調査では、性別役割分担意識に反対する人が女性で63.4%、男性で55.7%となっており2、世の中の認識も変わってきている。しかし、実際は男性の家事育児負担時間が少なく女性が多いことなど、実態が伴っていない。

  • 育児・介護休業法の改正とワーママの現状

 法改正は繰り返し行われ、世の中は共働きを支援している。ワーママに関する主な改正点を以下にあげた。

2005年:子の看護休暇の義務化、育休延長16か月まで可

2010年:3歳までの時短勤務義務化

2017年:育児休業期間が最長2年に延長

2021年:子の看護休暇が時間単位で取得可能に

2022年(4月予定):男性の出生時育児休業(男性版の産休)創設、育休の周知、取得の意向確認の義務化

 また、2014年より育児休業給付金の額が最初の180日間50%から67%に増加している。このような法整備などの影響もあってか、共働き世帯は増加し続けている。そんな中、ワーママへの問いは以下のように変化してきている9)

1.妊娠、出産しても仕事を続けるか?

2.どうすれば両立できる?

3.自分らしい働き方は?

2010年頃はまだ1であったといわれるが、この10年間で大きく変化した。近年、ワーママに限らず、世の中全体が自分らしく生きたいと願う時代となってきているのを感じるが、それがワーママにも及んでいるともいえる。

  • 納得、安心して仕事と育児を両立する対策4

法整備などが進んでいるものの、社会が整えられている最中である。待機児童問題など社会が改善しないとどうにもならないこともあるが、自分達でできる対策も多くあると思う。ここでは、私が注目した4つの対策を挙げた。

①時間確保のためにお金を使う、ヘルプを出す

 多くの共働き家庭でまず問題になるのが、日々の時間が足りないことではないか。時短家電を購入する、家事を外注する、ファミサポやベビーシッターなどに送迎や育児を頼む、家族やママ友、近隣の方を頼る、仕事でもヘルプを出す、などして時間を確保すると心身共に余裕が生まれ、両立を継続しやすくなるだろう。

②「~すべき」というマインドセットを手放す

 私たちは「~すべき」にとらわれやすい。育児に関しては、例えば「手作りのご飯を食べさせるべき」「何時までに寝かせるべき」「絵本くらいは読んであげるべき」など。仕事でも「~すべき」は多くの場面であるだろう。時に「~すべき」にとらわれていることすら自覚していないこともある。仕事においては業務に支障が出るくらい手放すと問題になるかもしれないが、「~すべき」を可能な限り手放していくと楽になる。私自身も「~すべき」を認識して手放すように意識したら楽になった経験がある。

③性別のアンコンシャスバイアスを減らす

 女性の働きづらさは、性別のアンコンシャスバイアスが大きな原因となっているように感じる。アンコンシャスバイアスが自分の中に存在していることを男女ともに認識し、減らすことを意識すると世の中が変わるのではないか。20224月からの育児介護休業法の改正で、男性育休取得率が上がり、家事育児への多く関わる男性が増えて、世の中の意識が変わるきっかけになることを期待している。

②一人一人のキャリア形成を大切にする

 キャリアとは仕事のみでなく人生そのもの。どんな人生にしたいか、仕事とプライベートのバランスなども一人一人異なり、同じ個人でも時期によって違うこともある。そもそも自分の望みがわかっていない場合も少なくない。自分の望みを大切にするように意識すれば、納得して過ごせるだろう。また、自分の望みがかなわない時期があったとしても、長い目で見た方がいいかもしれない。キャリアを大切にするには、職場の理解も時に必要である。男性には、女性である同僚や部下のキャリアを応援する視点を持っていただけたら嬉しいと思う。

 

最後に

 この記事を書くために各情報を調べていると、日本は少子化問題解決の一環として、仕事と育児を両立しやすい環境を作ろうと様々な取り組みをしていることが伺えた。今回は薬剤師の記事というよりワーママの一般論として書いてみようと思ったが、薬剤師のワーママに関しても共通する部分が多いと感じた。冒頭でもお伝えしたように、薬剤師は女性にとって働きやすいという人がいるが、単純にそういえるだろうか。薬剤師は女性が多いため、必然的に女性が働きやすい環境が整えられている可能性はあるが、実際の職場環境や人間関係、パートナーや家族の協力度などによるところが大きいような気もする。世の中がよりよい方向に変化し、より多くの人が納得、安心して仕事と育児の両立ができる社会になることを願っている。

2022/02/27

第190回コラム「症例報告執筆時のCAREガイドラインのご紹介」

上塚 朋子, Pharm.D.

 先般CARE Guidelineの日本語版ツール作成のお手伝いをしたので、ご紹介したいと思います。ガイドラインとはいっても、日頃臨床業務で参考にしている診療・治療ガイドラインではなく、ヘルスリサーチの報告に関するガイドラインです。症例報告(Case report)のCAとREの文字を取って名付けたCARE Guidelineは、症例報告の正確性・透明性・有用性を向上させる目的で作られました1)。類似のガイドラインとしては、臨床試験の報告のためのCONSORT Guidelineやシステマティックレビュー・メタアナリシスのためのPRISMA Guidelineがあるので、これらをご存知の方もいらっしゃるかもしれません2)

 CARE Guidelineのツールとして用意されているものは、CARE Checklist, Writing OutlineとTimeline instruction & Examplesの3つで、最初の2つは日本語版が用意されています3)。タイムラインの書き方と実例は英語版のみです。Writing Outline(執筆アウトライン)は症例報告執筆時の各項目と注意点がまとめられています。CARE Checklist(チェックリスト)は書き終えた症例報告の原稿を振り返って、各項目が満たされているかどうかを確認するためのリストになっていて、13項目で構成されています。症例報告を医学ジャーナルに投稿する際には、CAREガイドラインに従い、チェックリストを提出することが推奨されています。

 皆さんは普段、どのような場面で症例報告の論文を読みますか?私が少し前に読んだ症例報告を例に挙げて考えてみます。医薬品・医療機器等安全性情報 No.387で報告されたアレルギー反応を伴う急性冠症候群(コーニス症候群)について調べた時に、症例報告4,5をいくつか読みました。セフォペラゾンナトリウム・スルバクタムナトリウムの使用上の注意にコーニス症候群に関する注意喚起の追記が指示されたため、副作用の具体例を知りたいと思い、参考文献を手掛かりに見つけました。

 CARE guidelineを掲載しているScientific Writing in Health & Medicineのウェブサイト3には、症例報告の役割が次のように書かれています。「症例報告は実臨床の現場でのeffectiveness(有効性)に関する情報を提供し、前向き臨床試験から得られるefficacy(効力)に関する情報を補完する。」 確かに、セフォペラゾンナトリウム・スルペラゾンナトリウムの前向き臨床試験からは、このコーニス症候群に関する情報は得られていないと推察されます。理由は、発生頻度の低さと、認知度が高くないためにおこる検出力の低さだと考えられます。しかし、症例報告ではこのような稀な副作用を医学ジャーナルに報告することで、臨床に新たな知見を増やすことができます。そして、広く薬のリスクを知らせる役割を果たすことができます。そこで、CARE guidelineを利用して症例報告を書くと、症例報告の正確性・透明性・有用性が増すので、新たな知見の価値を高めることができるため有益です。

 EBMのエビデンスレベルを示すおなじみのピラミッドは、トップからSystematic reviews Randomized controlled trials → Observational studies → Case report(症例報告)→ Historical use, Expert opinion の順で示され、症例報告のエビデンスレベルは下層に位置します。しかしながら、症例報告にしか提供できない種類の情報があることから、CARE guidelineで一定の指針を示すことは、その情報に対する質の担保をしようという動きだととらえています。

 私自身、症例報告の論文投稿の経験はないのですが、経験した症例を振り返ってまとめるときにも、このガイドラインの視点は役に立つと感じています。皆さんも是非一度CARE guidelineをご覧になり、日々経験した症例の中で、新しい知見として広く知ってもらいたい事象を報告できるようにまとめてみてはいかがでしょうか。

参考文献:

1)Gagnier JJ, Kienle G, Altman DG, Moher D, Sox H, Riley D, CARE Group. The CARE guidelines: consensus-based clinical case report guideline development. J Clin Epidemiol. 2014;67:46-51.

2)Equator Network(Enhancing the QUAlity and Transparency Of health Research) https://www.equator-network.org/

3)  Scientific Writing in Health and Medicine (SWIHM) https://www.swihm.com/(ツールのダウンロードには無料登録が必要です)

4)Wu H, et al. : Kounis Syndrome Induced by Anisodamine: A Case Report. Int J Gen Med. 2020;13:1523- 7

5) Mitsis A, et al. : Coronary spasm secondary to cefuroxime injection, complicated with cardiogenic shock - a manifestation of Kounis syndrome: case report and literature review. Eur Heart J Acute Cardiovasc Care. 2018;7:624-630.

2022/01/31

第189回コラム「与えられた環境でいかに自分の花を咲かせるか?」

中川 直人

 私事で恐縮ですが、大学受験を控えている高校3年生の娘と高校1年生の息子がいます。結婚して19年になりますが、妻とはこれまでけんからしいけんかをしたことがありませんでした。子供たちがこの年齢になると、とかく「学校の授業がわからないから塾に行きたい」と言ってきます。娘が高校1年になった時にもこの会話をかわしました。先日、息子から同じ相談を受けました。このことに関して、妻と初めてけんからしい言い合いとなりました(笑)。妻からは、「どうして子供の気持ちを分かってあげられないの?」と言い寄られました。その時に私の考え方を皆様とシェアしたいと思います。 

 私が子供たちに返した質問は、「いま学んでいる環境や時間を最大限生かしましたか?」です。この言葉には、

・成績の良い同級生に効率よい勉強方法を聞いてみたか?(人的資源の活用)

・理解できない単元は先生に質問しにいったか?(人的資源の活用)

・図書室を利用してみたか?(物的資源の活用)

・授業が理解できるように予習をしていたか?(時間の有効利用)

・授業が理解できるように復習をしていたか?(同上)

・ゲームをする時間を減らしたか?(同上)

・将来の職業について自分の適性にあうものを同級生と話してみたか?(人的資源の活用)

などの意図を含めています。

 ここに掲げた意図に対しての息子の答えはすべて「やっていない」です。効率よく勉強して成績を伸ばしている同級生がいるはずです。聞くのが恥ずかしいならば、その生徒の様子を見てやり方を盗んでもいいと思います。先生に質問しにくいのであれば、理解している同級生に聞いてみることでもいいと思います。授業で使っている教科書が理解しにくいのであれば、図書室の参考書をあたってみるという行動もあってよいと思います。初めて聞く単元の授業が分かりにくいのであれば、あらかじめ教科書を読んで、理解できたところと理解できなかったところを明確にして教科書にしるしをつけておき、授業中に先生がそこを説明した時には聞き洩らさずにしっかり聞くことも大切です。学校から課題がでないということであれば、自分で問題集を買ってどんどん解いていくという復習のやり方を考えることもできると思います。予習復習の時間を確保するには、ゲームの時間を減らすという行動変化も伴うことになります。これらがすべて「やっていない」のです。

 私が子供たちに投げかけた質問には、実は「人生の泳ぎ方」を分かってほしいという気持ちがバックボーンにあります。私の経験を一つシェアします。

 私がアメリカのPharmDプログラムの学籍を得たのちのことです。TOEFL iBTのスコアをしっかり取れるまで英語の勉強をしてきたから、ある程度英語に自信をもって渡米しました。オリエンテーションの時間の教員の英語がほとんど聞き取れず、心がざわつきました。「まだ正規の講義は始まっていないから大丈夫!」と自分に言い聞かせて、翌日の講義に臨みました。でもやっぱり講義の内容がうまく理解できません。心のざわつきが不安感・恐怖感に変わりました。「本当に単位がとれるのだろうか・・・?」この状況で私がとった行動は次の通りです。

・ハンドアウトは事前にダウンロードできるので、単語の意味調べをしつつ、講義の流れを大まかに把握する。

・ボイスレコーダーを準備して講義はすべて録音する。聞き取れなかった部分は、ハンドアウトにクエスチョンマークを入れておく。

・講義終了後は、録音した講義を再度聞いて、聞き取れなかった部分は再生速度を遅くして聞いて理解する。

 ハンドアウトは少なくとも講義の前後で3回目を通すことになります。これをずっと続けました。

 何が言いたいかというと、与えられた環境で生き抜くためには、「知恵を絞り、工夫する」ことだということです。良い環境を求めればきりがないです。

「与えられた環境でいかに自分の花を咲かせるか?」

 その答えは、「知恵を絞り、工夫する」。簡単な言葉かもしれませんが、「知恵を絞る」過程は、脳みそから汗をかくくらい知恵を絞る必要があります。工夫したことがすべて効果があって好転するとは限りません。失敗してはまた工夫して生きていく。薬学生しかり、現役の薬剤師の先生方しかりかと思います。もちろん、私も今の環境で自分を光らせることに注力していますよ。

 

2021/12/31

第188回コラム「2021 ASHP Midyear Clinical Meetingに参加して」

岩澤 真紀子, Pharm.D., Ph.D, BCPS

 毎年12月に行われる世界最大の薬剤師の学会として知られる「ASHP Midyear Clinical Meeting」は、今年もバーチャルミーティングとなった。COVID-19感染が拡大する前は、2年ごとに学会に参加していた。実際に現地で参加することは、旧友との再会・情報交換、新たな人的ネットワークの構築、薬剤師業界の動向調査、活気ある学会の雰囲気や自信に満ちた薬剤師の姿からの刺激等、様々なメリットがあっただけに、パンデミックの収束を願ってやまない。一方、バーチャルミーティングは、それはそれで有意義な点があった。例えば、現地参加だと時差に体が慣れるまでに時間がかかるため、講演を聴講する際に集中できないことが多々ある。さらに、聴講したい講義のスケジュールが重なっていることがあり、事前にスケジュールを立てなければならない。その点、バーチャルだと様々な講義を自由に受講できることや、聞き逃した際に録画を巻き戻して聞き直せることはメリットだった。この他、現地開催と比べて学会参加費が安く渡航費用がかからないため、より多くの方が参加できたのではないかと思う。今回は、聴講した講義の中から印象的だった内容をいくつか紹介する。

The Oldest Old85歳以上の心房細動患者に対する脳卒中予防

 医薬品添付文書や診療ガイドライン等において、高齢者を65歳と定義して情報が整理されることが一般的である。しかし、高齢化社会となり65歳以上の人口が増加している状況の中、実臨床において65歳の年齢区分だけで薬物治療を考えることは難しい。今回、心房細動患者におけるDOACの薬物療法の講義の中で、85歳以上を「The Oldest Old」と表現していたのが印象的だった。脳卒中の患者における85歳以上の高齢者は17%を占めており、その多くが独居であると報告されている。心房細動に起因する脳卒中リスクが高く、死亡率も高い。80歳以上の健常者における脳卒中リスクは20%という報告がある一方で、80%以上の脳卒中は予防可能である。

 脳卒中予防に重要な役割を果たす薬剤に抗凝固療法があるが、米国においては有害事象が最も報告の多い薬剤であり、その70%は防止可能と報告されている。出血リスクの面からワルファリンよりDOACを選択するほうがよいとされるが、85歳以上の患者に対しては次のことを考慮することが推奨されている。①ナーシングホームの住人の60%はCrCl30mLである、②ポリファーマシーと薬物間相互作用がよくみられる(アピキサバンとリバロキサバンはCYP3A4P-グリコプロテインの基質である、ダビガトランとエドキサバンはP-グリコプロテインの基質である)、➃フレイルのアセスメント(体重45㎏以下、BMI18kg/m3、臨床フレイルスコア<6)、⑤出血や貧血の既往歴。

 85歳以上におけるDOACの適正用量に関するエビデンスも集積しており、オフラベル(適応外使用)であるものの、エドキサバン15㎎ 1日1回、アピキサバン2.5㎎ 12回が推奨されている。

バンコマイシンと急性腎不全

 米国では2020年にバンコマイシンガイドラインが改訂され、トラフ値をモニタリングすることによりバンコマイシンの投与設計をする方法から、AUCに基づく投与設計およびモニタリングする方法が推奨された。この理由として、トラフ値の目標値を15-20mcg/Lにすることにより急性腎不全のリスクが上がること、トラフ値はあくまでも推定でありバイアスを生じやすいこと(正確なトラフ値測定をするためには、定常状態かつ血行動態状態が安定している患者で、正確な時間にバンコマイシンが投与されていなければならない)、AUCに基づく投与設計をする場合、有効性はトラフ値モニタリングと類似しているが、急性腎不全が減少することが示されたからである。急性腎不全の頻度に関する報告は臨床試験によりばらつきがあるが(5~43%)、多くのイベントは投与開始後4〜5日後に生じている。急性腎不全は治療中止後1週間以内に改善することが多いが、バンコマイシンに起因する急性腎不全は様々な問題がある。例えば、血清クレアチン値が上昇する時には既に腎機能障害が進行している可能性が高く、軽度の腎不全であっても入院死亡率の上昇、入院期間延長、医療費の高騰につながる可能性があること、心血管イベント、免疫不全による感染等の腎臓以外の臓器にも影響することがあることである。このため、急性腎不全を防止することは非常に重要である。

薬剤師外来の拡大

 2021年の全米調査によると、46.2%の病院が薬剤師外来サービスを導入しており、その種類も拡大している。薬剤師外来の種類は、多い順に抗凝固療法(25.8%)、がん(23.2%)、糖尿病(16.9%)、家庭医療(16.8%)、高血圧(15.8%)、感染症(11.6%)、移植(8.4%)、疼痛(6.5%)である。一方、まだ数は少ないものの、2018年より、ゲノム薬理学のサービスが広がっており、現在3.3%の病院で薬剤師外来が導入されている。ゲノム薬理学の対象となる薬剤は、次の通りである。abacavir, abemaciclib, ado-trastuzumab, clopidgrel, codeine, irinotecan, nivolumab, phenytoin, SSRIs, simvastatin, tacrolimus, thiopurines, Tricyclic antidepressants, warfarin

Telehealth(遠隔医療)

 2021年の全米調査によると、薬剤師による遠隔医療を提供している病院は28.4%、その内訳は、電話サービス(70.9%)、ビデオチャット(25.2%)、電子メール(0.6%)と報告されている。41.0%の病院が、遠隔医療を有料サービスとして提供している。薬剤師が遠隔医療サービスを提供している疾患としては、多い順に糖尿病(52%)、高血圧(40%)、喘息およびCOPD(28%)、脂質異常症(18%)、循環器疾患(心不全、冠動脈疾患等)(16%)、禁煙指導(8%)であった。

 このほか、COVID-19感染関連のトピックも多く、ワクチンやワクチン予防接種に関する内容も数多くあった。まだエビデンスを蓄積中のトピックでありデータが日々更新されているため、今回は紹介を差し控えたい。

2021/11/30

第187回コラム「集中治療初心者の”日本語”資料の紹介」

  前田 幹広, Pharm.D.

 近年集中治療室に薬剤師が配属されることが珍しくなくなり、どのように勉強すれば良いか聞かれることも多々あります。米国のレジデンシープログラムでは、New England Journal of Medicineを始め、有名どころの雑誌の総説をひたすら読んで(読まされて)、知識を身につけていきました。Dr. Marinoが執筆されているICU Bookを指導薬剤師から勧められましたが、集中治療初心者の私にとって、英語でICU Bookを読んで勉強するほどの能力はありませんでした。英語の論文や書籍を紹介すると取っ付き難い方も多いため、日本語で勉強できる集中治療に関する書籍を2つ紹介いたします。

  1. INTENSIVIST 出版社:MEDSi

 JSEPTIC: Japanese Society of Education for Physicians and Trainees in Intensive Care (日本集中治療教育研究会)による編集で、集中治療のテーマで年4回発行しています。私が米国から帰国した2010年に衝撃を受けたのを覚えています。英語で総説を読んで勉強していた私にとって、日本語でここまでエビデンスに基づいた集中治療に関する書籍であるINTENSIVISTを知っていたら、もしかしたら基礎知識をINTENSIVISTで身につけることを選んでいたかもしれません。それだけ、内容に関しては充実しています。

 INTENSIVISTは、大きなトピックの「特集」と少し小さなトピックの「コラム」で構成されており、読者が興味のあるところから読み進めることが可能です。すべてのトピックが深く記載されており、薬剤師にとってはちょっとここまでは…というところまで書いてあります。例えば、20163月の「管/ドレーン」を薬剤師が全て知ることは難しいかもしれません。一方で、「膠原病・血管炎」では、集中治療室では頻繁ではないが、知らなければいけない知識として全身型エリトマトーデスの緊急病態や劇症型リン脂質抗体症候群、そして急性期治療で使用するステロイド、免疫抑制剤、生物学的製剤などの解説など、調べるために膠原病の他の書籍などを参照しなければいけない内容も凝縮しています。

  1. クリティカルケア薬 Essence & Practice 出版社:じほう

 私は編集で関わっていますが、とにかく現場の医療従事者が使いやすい書籍を目指しました。重症患者の薬物治療では、添付文書情報のみでは、太刀打ちできないことが多く、海外のエビデンスをその時々に調べる必要が出てきます。しかしながら、一刻を争うときに一々調べる時間がない場合に、全部そこに情報が集約していたらいいのに、というコンセプトのもとJSEPTIC薬剤師部会が執筆をして完成した書籍です。編者と執筆者が入れたい内容を入れていたら1000ページを超えてしまいました。

 書籍の構成は、大きくⅠ章〜Ⅴ章の集中治療に関する薬剤の総論とⅥ章の各論に分かれています。集中治療初心者の皆さんには、是非とも1ページ目から読んでいただき、集中治療の薬剤師が身につけるべき基盤を作っていただきたいと思います。さらに現場で医師や看護師から問い合わせを受けた際には、薬剤別の項目で逐一確認してみてください。その答えを深く知るために、その参考文献を辿って勉強していくと、より深い薬剤の知識を身につけていくことが可能となります。

 最後に、どのような知識を集中治療領域の薬剤師が学ぶべきか、”An Opinion Paper Outlining Recommendations for Training, Credentialing, and Documenting and Justifying Critical Care Pharmacy Services” Pharmacotherapy 2011;31(8):135e–175eに記載があるため、確認していただきたいです。

 ※ご紹介したICU Bookは、現在日本語版も出版されていますので、是非読んでみてください。

2021/10/31

第186回コラム「Zoomを活用したバーチャル薬学国際交流」

城戸和彦, Pharm.D., MS, BCPS, BCCP

 2020年以降のコロナウイルス流行に伴い、薬学教育や薬剤師業務は多方面に影響を受けた。その中でも、大きな影響を受けたことの一つが国際交流である。逆境の環境下で、各大学は工夫を凝らして国際交流を行っている。例えば、私が現在勤めているウエストバージニア大学薬学部では、2021年4月から、Zoomを利用したバーチャル国際交流を北里大学病院薬剤部と連携して開始した。今回は、このバーチャル薬学国際交流プログラムについて紹介する。

 ウエストバージニア大学薬学部と北里大学病院薬剤部のバーチャル国際交流は、これまで計2つのセッションを開催した。1つ目のセッションは、両施設の紹介、アメリカと日本薬学教育の違いなどを議論した。2つ目のセッションでは、両施設のレジデンシープログラム紹介を行い、両国間でのレジデンシー教育の比較を議論した。各セッションは1時間程度で、セッションは、各施設のプレゼンテーション(10分程度)を行い、その後Zoomのブレークアウトルーム機能を使ったスモールグループディスカッションを行った(20分程度)。メンバ―構成は、ウエストバージニア大学薬学部からは、薬学教員(4-5名)、薬学生(4名)、レジデント(4-5名)が参加し、北里大学からは、薬学教員(2-3名)、レジデント指導薬剤師(3-4名)、レジデント(8名程度)が参加した。開催頻度は、年4回を予定している。

 過去2回のセッション参加者からのフィードバックを踏まえて、今年11月からは循環器、感染症、オンコロジー領域の患者症例を使い、各国の医療システムや文化の違い、ガイドライン指針の比較、両国の治療アプローチの違いを学ぶことを目的として症例検討を行う予定である。来年には、バーチャルジャーナルクラブも開催する予定である。

 海外研修など、国際交流を現地で行うメリットは多くあり、新型コロナウイルス流行が沈静した後は再開できることを願う。一方で、現地で行う国際交流の再開の有無に関わらず、今回のような遠隔で行うバーチャル国際交流は非常に重要になることを認識した。費用の面、効率性、そして長期的に行える面など、多くのメリットがある。今後は、バーチャル国際交流と現地での国際交流を織り交ぜたハイブリット式の国際交流が主流になることが推察される。

2021/09/30

第185回コラム「チーム基盤型学習(Team-Based Learning; TBL)の実践」

磯 友菜, PharmD

 アメリカの薬学教育では、チーム基盤型学習(Team-Based Learning; TBL)を取り入れた授業が増えています。私の受け持つ医薬品情報と文献評価の講義でもチーム基盤型学習を取り入れていますので、その取り組みについて報告させていただきます。

 従来の授業形態(Traditional Classroom)と反転した授業形態(Flipped Classroom1),2)

従来の授業形態では、教員主導で講義が進み、生徒は主に講義を聞いてノートを取り、授業外で課題をこなしていました。反転した授業形態では、生徒は講義を授業時間外に、ビデオなどを用いて自習し、授業時間内では、生徒が主導となり、課題をグループでこなします。この授業形態を取り入れることで、生徒の学業成績の向上、授業への積極性の向上、講義内容の理解度の向上など様々な利点が報告されています。チーム基盤型学習は、この反転した授業形態を実践する刷新的なアプローチです。

ダウンロード - 185e59b9ee38080e59bb31.pdf

チーム基盤型学習とは3)-7)

チーム基盤型学習は、授業開始前の生徒の予習と授業内での知識の応用を強調した、少人数(5〜7人)のグループ学習形式です。授業は以下の3つのステップから構成されます。

ダウンロード - 18520e59bb32.pdf

  • 授業前の事前学習(Pre-class Learning)

生徒は授業が始まる前までに、与えられた資料を用いて、事前学習を完了させます。事前学習資料は、教科書、ハンドアウト、論文やビデオなど、その授業や生徒のレベルにあったものを準備します。

  • 授業内での準備保証テスト(Readiness Assurance Test; RAT)

授業内では、最初に個別の準備保証テスト(individual RAT; iRAT)を受けます。テストは通常、5〜10問の複数選択の簡単な問題から構成され、生徒は資料を用いずに(Closed book)解答します。次にチームの準備保証テスト(team RAT; tRAT)を受けます。これは、iRATと同じ内容のテストですが、今度は個別ではなく、割り当てられたチームで議論をしながら答えを導きます。各チームのメンバーは同じtRATの点数を得ることになります。どちらのテストの点数も、各生徒の総合成績に含まれます。テストの後は、生徒に間違った問題やわかりにくかった問題をインストラクターにアピールする機会が与えられ、クラス全体でその問題に対して議論します。このテストのアプローチは総合成績に影響するため、生徒が事前学習をし、授業に出席し、チームディスカッションに積極的に参加することを促すためにとても有効的です。

  • 知識の応用に焦点を当てた演習(Application Exercises)

授業の残りの時間は、生徒が事前に学習した知識を応用するための演習に当てられます。この演習は、知識を試すためではなく、応用することに焦点を当てているので、資料を参照しながら(open book)、チームごとに議論して与えられた課題をこなしていきます。この演習問題もチームベースなので、各チームのメンバーは同じ点数を得ることになります。演習問題を提出したら、最後にクラス全体でのディスカッションを促して、トピックと問題に対する適切な回答を模索します。

 改良したTBL を用いた授業も報告されています。FakhriRavariらは、一回の授業に対し、二種類のiRATを導入しています。一つは、授業前に、自宅で資料を参照しながら受けるiRAT、もう一つは授業中に資料を参照せずに受けるiRATです。自宅でのiRATには、解答すると同時に、正誤の根拠を自動的に表示させるようにして、事前学習の更なる理解度の向上を促しています。8)

チーム基盤型学習の実践

 私の授業では、学期の最初に5〜6人ごとのチームを決めます。生徒は学期を通して全てのtRAT、演習、そしてジャーナルクラブをこのチームごとにこなしていきます。事前学習のための資料は、パワーポイントのプレゼンテーションを録画したもの(30分〜1時間)とハンドアウトを配布しています。授業は週一回、110分で、一回の授業で一つのテーマを扱います。生徒は授業の開始と同時に5問のiRATを5分間で解答し提出します。その後、チームに分かれ、同じ問題のtRATを、チームごとに議論しながら10分で解答し提出します。全チームが提出し終わったら、10〜15分ほどかけて、クラス全体でRATの問題を議論しつつ、わかりにくかった点や間違いの多い点などを解説していきます。演習は30〜40分ほどかけて、各グループで資料を参照し議論しながら問題を解き、提出します。全チームが提出し終わったら、残りの時間をかけて、クラス全体で演習問題の議論と解説をします。

 実際にチーム基盤型学習を実践してみて、導入の一番の難関となるのは、事前準備の大変さだと感じました。ハンドアウトを作成し、講義をあらかじめ録画し、授業日の数日前までに生徒に配布、またテストと演習問題も作る必要があります。授業をしてみて実感したことは、出席率の高さと授業へ積極的に参加する姿勢です。グループで常に議論をしているため、居眠りする生徒はおらず、また議論することによりさらに疑問が出てくるため、様々な質問も飛び交います。一方で、なかなか議論に加わることのできない生徒がいたり、グループ内で役割分担してしまい議論にならないケースなどもあり、教員側のファシリテーターとしての役割の重要性も実感しました。

参考文献:

  • Jakobsen, K. V., & Knetemann, M. (2017). Putting Structure to Flipped Classrooms Using Team-Based Learning. The International Journal of Teaching and Learning in Higher Education, 29, 177-185.
  • Lopes, A. P., & Soares, F. (2018). Flipping a mathematics course, a blended learning approach. Proceedings of INTED 2018 Conference,3844–3853.
  • Michaelsen, L. K., Davidson, N., & Major, C. H. (2014). Team-based learning practices and principles in comparison with cooperative learning and problem-based learning. Journal on Excellence in College Teaching, 25(3&4), 57-84.
  • Team-Based Learning Collaborative. (2019). Retrieved September 26, 2021, from http://www.teambasedlearning.org/definition/.
  • Brame, C. J. (2013). Team-based learning. Vanderbilt University Center for Teaching. Retrieved September 26, 2021. from https://cft.vanderbilt.edu/guides-sub-pages/team-based-learning/.
  • Burgess, A., van Diggele, C., Roberts, C., & Mellis, C. (2020). Team-based learning: Design, facilitation and participation. BMC Medical Education, 20(S2).
  • Jansen, T. (2018). A team-based learning adventure. Training. Retrieved September 26, 2021, from https://trainingmag.com/a-team-based-learning-adventure/.
  • FakhriRavari, A., & Nguyen, L. (2020). Double iRATs with Immediate Feedback Experience in a Team-Based Learning Infectious Diseases Pharmacotherapy Course [Poster presentation]. American Association of Colleges of Pharmacy Annual Meeting.

2021/09/09

第11回日本薬剤師レジデントフォーラムのお知らせ

2021年11月6日(土)10:00~17:00に、Web開催(ライブ配信)で「第11回日本薬剤師レジデントフォーラム」が行われます。

年会では、レジデントを修了した方、現在レジデントをしている方、レジデントに興味を持っている学生の方のお話が聞ける他、米国で臨床薬剤師をされている城戸和彦先生より「米国における薬剤師レジデント教育」、ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口育子先生より「医療ニーズに対応した薬剤師教育の在り方」についてご講演いただきます。

是非ご参加ください。

http://www.den-entry.com/14reg/top.php

事前登録:2021年8月10日(火)~ 2021年10月11日(月) 17:00

本大会はWeb開催のため、当日の参加受付を行いません。

学生の参加料は無料です。

 

 

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